読書レビュー:みぞれ(角川文庫)/重松清
重松清の短編集。
気軽な小説が読みたくて適当に手を取ったが、短編集と知らずに買ってしまって少し後悔。本当はそこそこボリュームのある物語が読みたかった。
とはいえやはり面白いのが重松さんのすごいところだが、他の長編小説とは少し受け止め方が異なるように感じた。
本書は重松さんが1999年〜2007年の8年間に書き溜めた短編を集めた一冊となっている。
8年間の短編集ということで比較的長いスパンで書き集められたものであるが、それゆえ重松さんの視点も少しずつ変わっているのだろう。
あとがきにもあったとおり、それぞれの「お話」の息づかいの違いをリアルに感じ取るのがこの本の楽しみ方だと思う。
くだらない「お話」も腹の据えかねる「お話」もあったが、こちらもあとがきにある通り、その時々の世相がリアルに吐き出されたものとして受け取ると、作品としての面白みが増すように思った。
フリースタイルダンジョン MONSTARS WARめちゃくちゃ面白かった
もはや説明不要なほど話題沸騰中のフリースタイルダンジョン。
わたしが毎週観ている数少ない番組です。
このフリースタイルダンジョンの特番であるMONSTAR WARが昨日Abema TVで放送されました。
フリースタイルダンジョンの6人のモンスターをリーダーとして、これまでのチャレンジャー達とチームを結成。
この6チームでAsONE形式と呼ばれるフリースタイルラップバトルの頂点を決めるという企画。
AsONE形式とは
実際に開催されているフリースタイルチームバトル「AsONE」のルールを取り入れたもので、各チームで毎ターン8小節のマイクリレーを行う形式。
8小節の各チーム配分は自由。誰から順番に出てもよし、2小節ずつマイクリレーしてもよし、4小節ずつ2人で使ってもよし、なんなら1人で8小節使ってもよし。
今回は各チーム8小節×3ターンの形式が採用された。
これがめちゃくちゃ面白かったので感想を書きたい。
メンバー選出
過去のチャレンジャーから2人×6チームの合計12名が選出。
主に本編において結果を残した実力派メンバー(掌幻、焚巻、TK da 黒ぶち、KOPERUなど)が抜擢され、各リーダーのドラフト形式でチームを決定。
個人的に良かったと思ったのが、SALVADORくんをメンバーに入れたこと。
数いる高校生ラップ選手権出身のメンバーの中から彼を選んだキャスティングは絶妙でした。
初めて観たとき(わたしは本編が初見)はなんだこの生意気なクソガキは、と思ったが、あのメンバーの中でガッチリかましてた肝の据わり方はすごい。
番組中も触れられていたが、漢さんが父親的なポジションで引っ張っていたのだろうか。本編で漢さん相手にバチバチのDISをかましてたのを見てたので余計に感慨深い。服装も漢さんと似てたしね。
バトルの感想 ※以下ネタバレ
個人的なベストバトルは、サイプレス上野 VS R-指定の2ラウンド目。
ビートはMUROのCHAIN REACTION。
R-指定の「一気にこっちにスイッチ」から始まる高度なサンプリングの応酬。
それにジャッジも言ってたようにダチョウ倶楽部ネタの応酬の完成度も高さも相まって一番面白かった。
あとはやはり決勝2ラウンド目。
関西−関東対決でOZROSAURUSのAREA AREAを選ぶDJ SN-Zのセンスがすばらしい。
R-指定からHIDADDYのサンプリングの応酬で流れを掴んだかと思われたが
DOTAMA、掌幻、DragonOneのスキルの高さと絶妙なDIS、そしてDOTAMAさんのマスターベーション→イマジネーションの韻踏みで流れを掴み返した上、トドメの「司会はジブさんだよ!」と何かと喋りたがるHIDADDYを完全に抑えた強烈なDISが決まってクリティカル勝ち。
ものすごく見応えのあるバトルでした。
最後のDOTAMAさんの涙。
途中からモンスターとして参加したものの、あまりいいところがなかったというのもあるのだろうか。
この人のキャラはいまいち読めないが、バトルに賭けているものはとても熱いのだろう。
ラストのマイクリレーも含めて最高だったのですが、
一つだけ言うとすれば、サイバーエージェントの藤田社長が出てくるくだりは正直ちょっと嫌だった。
フリースタイルダンジョン人気、ひいては日本のフリースタイルシーンの人気を爆発的に高めるためにサイバーエージェントの力が非常に大きかったのは間違いない。
番組を続けていく上でスポンサーの重要性も十分にわかる。
しかしあのような形で、ZEEBRAさんを始めとした日本語ラップ界の最前線を切り開いてきた人たちが
いち企業の社長(失礼)に頭を下げる姿を見せられるのは正直あまりいい気分ではなかった。
やるにしても他所でやってほしいというのが本音。
とはいえすばらしい特番でした!
正直ネット配信だけやしそんな力入れてないのかな、ぐらいの軽い気持ちで観てましたが、むちゃくちゃ面白かったです。
これからも続けていってほしいですね。
あわよくばYoutube配信は再開してほしいですね。
正しいボーナスの使い方について考えている
6月も終わりが近づき、7月になろうとしておる。
7月といえばそう、夏のボーナス。
毎年思いますがこの手の平均額には何の意味も持たないので無視しておくのが
精神衛生上良いと思います。
ありがたいことにわたしの会社も多少なりともボーナスをいただけるとのこと。
とはいえ贅沢な悩みであることを承知で言うが、何に使ったらいいか毎回悩んでいる。
世の30前後の独身男性はボーナスを何に使っているのだろうか?
「ボーナス 使い道」あたりで検索すると、だいたいどのページも1位が貯金となっててガッカリする。
貯金が悪いこととは言わんが、個人的にはとりあえず貯金!という発想は問題の先送りな気がするのであまり好きではない。
そもそも基本的にお金のありがたみなどは(若いうちは)一般的に手に入れた瞬間が一番高い。
熱力学の世界ではこれを「エントロピー」と呼ぶ。
大学の頃、先生が「星稜高校時代の松井秀喜少年が手に入れる50万円と、メジャーで大活躍している松井秀喜選手の手に入れる50万円ではエントロピーが全然違う」というような言葉を言っていて、なるほどなあと思った。
高校生、大学生、20代とかで、「5万円分の経験」より、「5万円分の貯金」の方が価値があるなんて信じてたらヤバいって。どんだけ投資効率の悪いことしてるのか、周りの人がしっかり教えてあげるべき。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2014年1月1日
脱線した。
まぁ全額使わずに多少貯金に回すというのは賢明と思うが、やはり何かの形でクオリティ・オブ・ライフを高める投資に使いたい。
同じくAllAboutの記事で使い道ランキングがあったので紹介。
ほぼ貯金やんけ・・・というツッコミは置いといて、具体的には旅行、PC、洋服、あたりだろうか。
うーん、いまいちしっくりこない。旅行はほっといても勝手にやるし、PCもまだまだ新しいし、洋服は・・・まあ欲しいけど無理に買いたいような高級品はないなあ。
個人的には家電あたりに最適解がある気がしているのだが、一人暮らしで捗る家電というのがあまり思いつかない。ワンルームマンションでルンバ使っても仕方ないしね。
あ、FILCOのキーボードは欲しい。
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というわけで良い使い道を募集中です。
思ったよりも業の深い話題だった
どうも。懲りずに書きます。
炎上してる場にタイムリーに飛び込むと恐ろしくアクセスが伸びるという知見を得た。
色々コメントいただいて面白かったんやが、僕が変な形ででんぱ組.incが好きと公言してしまったせいで「でんぱ組ファンが必死に擁護してる」と受け取られていたのは少し悲しかった。
わたしゃ客観的に事象を分析したいだけだ。
※まぁ実際残念めな擁護厨がいっぱいいたのは事実ですし…
格調高いクラシカルな場にTPOをわきまえない格好で行った、という話かと思ってたらどうもちょっと違ったらしい。
僕としては
「ああ、きっとクラシックみたいにドレスコードとかがあるんだろうな。それに皆さん舞台と役者さんを見に来てるんだもんね。他のお客さんの邪魔にならないようにおとなしく見なきゃね・・・え?何?その割に公式がペンライト作ってるの?上映中振れってこと?それ邪魔じゃないの?レベル高すぎるだろ・・・」
という率直な気持ちを言葉にしたつもりだったんだが
Twitterのリプライで「そんなもの常識でしょ!!」と言われて僕は途方に暮れることしかできなかった。
常識というのは便利な言葉で、使った瞬間議論を終わらせることができる上に相手の上位に立てる(気がする)という、いわゆるマウンティングワードというやつです。
申し訳ないけど(誰に?)わたしは無知なので
「この界隈ではそういうルールになっている」
と言われた方がよっぽど納得できた。
※あわよくば、他のお客さんの迷惑になるから or 作品の雰囲気を壊すから等々…の理由とともに教えていただければ大変喜ばしい
とはいえご親切な演劇ファンの方もいらっしゃいまして、わたしなりに理由が納得できたのでまぁ良いかなと。
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そもそも「伝統的な文化圏に不注意なライトユーザーが参入して叩かれる」というわたしの想定していた筋と違って、
若手舞台俳優クラスタ、2.5次元舞台俳優クラスタというわたしの知らない(しかもある程度ボリュームのある)層とのコンフリクトが発端な気がする。
思ったより業の深い話題なので、そもそもわたしが触れてはいけないものだったのかもしれない。
叩かれる前にこの辺でやめとこう。恐ろしい恐ろしい
「あんさんぶるスターズ!」ユニットソングCD Vol.1「UNDEAD」 Melody in the Dark/ハニーミルクはお好みで
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でんぱ組.incのあんステ観劇マナーが騒動になっているようです
タイトルの通りですが騒動になっている様子。
一言で要約すると、
でんぱ組.incのメンバー(ねむ、りさ、えい)が「あんさんぶるスターズ On Stage」という舞台をコスプレして観に行ったため、観劇マナーの是非について物議を醸しているとのこと。
舞台に関してはズブの素人というか、
観に行ったこともないし観に行こうとしたこともないのでさっぱり知らんのだが
「観劇マナー」でググるだけでも山ほど出てくる。
正直、個人的にはどんだけめんどくさいんだよ…と思わずにはいられないのだが、
まあ格調高い文化なのだろう。クラシック公演みたいなもんなのか。
でんぱ組.incについてはガチファンなので当然応援したいですが、
こういうのは客観的な視点で判断したいし、ご本人方も反省しているようですし、観劇ファンの方々の気持ちもわからんではないので、事実自体の是非についてはノーコメントにしておこうと思う。
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ワンピース歌舞伎しかり、ゲーム音楽オーケストラしかり、
新規ユーザがライトに楽しめる、いわばその道の入り口のような作品自体は、基本的には歓迎されるべきであろう。
しかし今回の件はライトな層を取り入れる過程で起こりうる、起こってもおかしくない事態だと思う。
まして応援上映が話題になってる今だからこそ、起きても仕方なかったのかなと。
それがなんとも運悪く、ある程度影響力のある芸能人がやってしまった。
いわゆる「すべてのジャンルはマニアが潰す」問題についてはわたしも思うところがいろいろありますが
本題から離れていきそうなので今回は割愛。
あと個人的にはラブライブ応援上映騒動の記事についてたブコメに全面同意。
「ラブライブ!」応援上映で迷惑行為 川崎チネチッタが重く受け止め、次開催の応援上映を中止に - ねとらぼ
応援上映は「新しい映画の楽しみ方」なんかじゃなくて、ごく一部が一時的かつ奇跡的に成功しただけなのかもしれないと思い始めている
2016/06/20 18:12
※いろいろ調べてたらペンライトうちわはオッケーなのか?ローカルルールわけわからん…
おまけ
追記した
「失敗の本質」から学ぶべきこと
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読んだ。
非常におもしろい。今年一番おもしろかった。
太平洋戦争で歴史的な大敗を喫した日本。
その敗北の原因を組織的、社会的に分析し、なぜあのような敗戦を招いたのかを研究した本。
本書は太平洋戦争の敗北においてキーポイントとなった複数の戦い(ノモンハン事件、ガダルカナル作戦、沖縄戦等)を例に挙げ、それぞれの敗北の理由を分析する1章、それぞれの敗北に見られる共通点を取り上げ、失敗の本質を分析した2章、これらから得られる学びをまとめた3章で構成されている。
敗北の要因は複数挙げられているが、特に
- 過去の成功例(=日露戦争等)にとらわれて組織が最適化され、環境の変化に適応できなかったこと
- (その結果として)戦略が現実離れし、戦略の不備を現場の戦術、ひいては精神論に求めたこと
などは興味深い視点である。
漫画や小説などの作品では、現場で英雄的な活躍をするヒーロー(ガンダムで言うところのアムロ・レイ)に焦点を当てられることが多い。
しかし本来、現場の活躍=戦術をもって、その上位概念である戦略(ひいては兵站)の不備をカバーするといった組織運用自体に歪みがあり、そこに過度な期待を持つことは好ましいことではない。
(無論、彼らの功績は当然讃えられるものであるが)
ひいてはそこを精神論でカバーするような体質がまかり通ることが問題であろう。
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本の最後では、これらの日本軍の体質と現代社会(特に産業界)の対比が行われている。
著者いわく、本書出版の頃の日本(=1984年)はまさに戦前の日本軍の体質と共通項が多く、環境の急激な変化に対応しきれない土壌が培われているとのこと。
著者の予言通り、現代日本が産業面で新興国の急激な成長に脅かされているのは興味深い。
何らかの形で組織を運用し、人の上に立つ立場の人たちには非常に学びの多い一冊である。
ただしこのような分析的な視点とは別に、やはり現場レベルでの太平洋戦争の悲惨さを学ぶこともまた非常に重要なことと思う。
最後の言葉 戦場に遺された二十四万字の届かなかった手紙 (講談社文庫)
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ガダルカナルや沖縄での地獄絵図はよく知られた通りで、その凄惨さを学ぶこともまた、後世に伝える上で大切なことだろう。
ガルパンの真骨頂はやはり戦車戦であろう
あの蝶野氏も大絶賛の劇場版ガールズ&パンツァーの4DX版が再上映されるということで観てきた。
(通常版で一度観ているので2回目)
結論から言うと、すごく、濡れた(物理的に)。
ガルパン劇場版の真骨頂はなんといっても圧巻の戦車戦であろう。
ガチの戦車マニアが片手間に美少女を描いてみたとしか思えないレベルの圧倒的描写力と演出。制作陣の手腕には頭が上がらない。
逆に言うと戦車戦以外のストーリー部分のクオリティはお世辞にも高いとは言えず
ストーリーを無理矢理進めるためだけに用意された荒唐無稽な作りになっている。
とはいえガルパンにおいてそこに突っ込むのは無粋というか「テトリスはストーリーがクソ」と言ってるようなものと個人的には思っている。
あくまでもガルパンの主題は戦車戦であり、戦車戦だけでも十分すぎるほど評価に値する作品ではないかと思っている。
まぁあの絵柄のせいで普通の友達に紹介しづらいというのもありますが・・・
DVDかBlu-rayも欲しいけど高いよなあ・・・
というかアニメのDVDって5000円超えが普通やし、もうちょっと安ければ買うのにっていつも思う。
3000〜4000円ぐらいなら全然買うんやけどそういうニーズは少ないのでしょうか。
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思うところはいろいろありますが、
劇場版ガールズ&パンツァーの感想において、小野ほりでい氏のレビューを超えるものが書けるとは思えないのでこの辺にしておきます。