読書レビュー:行人(新潮文庫)/夏目漱石
久しぶりに読書レビュー書きます。
夏目漱石後期三部作の二つ目。
前期後期三部作を全部読んでやろうと意気込んでいたものの、"彼岸過迄"が思いのほかしんどかったので、夏目漱石から少し遠ざかってました。
ただ読むものがなくなったので昔買った行人を勢いで読みました。
「勢いで」とは言ったもののずいぶん時間かかってしまいましたが・・・
序盤は貞の嫁入り、三沢の病気と過去の恋愛といったテーマを元に二郎の心の動きを描き出し、
後半から兄の一郎の物語となる。一郎の賢く繊細すぎるがゆえに過敏すぎる心が、二郎や家族や妻、友人からどのように映るか。
夏目前後期三部作を一通り読んだことになりますが、その中でも行人はめちゃくちゃ好きな一冊になりました。
一郎の繊細すぎるゆえの苦悩を完全に理解することはできないにせよ、現代の知識人にも響くところがあったのではないでしょうか。
評価:★★★★☆
*1:正確には高校生の時に国語の授業で読んだ"こころ"が最初ですが