おやすみプンプンはわたしの20代にとって一番大切な漫画だった
土日を持て余していたので、浅野いにおの”おやすみプンプン”を全巻読み直しました。
おやすみプンプン コミック 全13巻完結セット (ヤングサンデーコミックス)
- 作者: 浅野いにお
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/12/27
- メディア: コミック
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おやすみプンプンとは2007年〜2013年にヤングサンデー(その後同誌廃刊後にビッグコミックスピリッツ)で連載されていた浅野いにお氏の漫画。
わたしがリアルタイムに読んでいた数少ない漫画であり、同時にタイトルの通り、わたしの20代を形成する上で一番大切な漫画です。
ごく普通の家庭に生まれた少年、プンプンの小学生〜社会人時代の出来事を描いた作品。
作品中プンプンは↓のようなヒヨコのような姿で描かれていますが、実際は普通の人間です。いわく「人間で描いてしまうと話が重すぎるから」だそうで。
小学生時代を過ごしていたプンプンの学校に、ある日となり町から愛子ちゃんという転校生がやってきます。プンプンは愛子ちゃんに恋をし、愛子ちゃんへの想いは作品のラストまで常に語られることになります。
愛子ちゃんとの出会いと家庭環境を描いた小学生編、
同じく家庭環境と、思春期の心のふれあいを描いた中学生、高校生編、
高校卒業後を描いた社会人編。
インパクトのある表現でガツンって攻めてくるんじゃなくて
知らん間に自分の中の殻をやさしぐはがされて
むき出しになった心を、素手でギュッとしてくるような作品。
どうしようもなく不器用だが決して他人事として見れないプンプンの心の動きや、様々な家庭環境で育った登場人物との心のすれ違いやぶつかり合い。家族との不和。
登場人物みんなが愛おしい。
ラストはとてもハッピーエンドとは言えないし、彼らのこの先のこともわからない。
ただ彼らが悩みぬく姿を、この漫画を通して見ることは、
20代の、特に20代前半のわたしにとって本当に大事だった。
わたしにとって20代は、いろんな背景を持った人に出会い、人の気持ちをわかりたくて悩み、失い、どうしようもない孤独感を埋めたくて苦しむ日々でした。
(もちろんプンプンほど壮絶な人生ではないけど)
この作品はそんなわたしに決して答えを教えてくれるわけではなかったけど、
孤独感を埋められない自分に、埋められなくても大丈夫だよ、みんな戦ってるんだよ、と言ってくれるような、そんな救いを与えてくれるような作品でした。
だから20代の方々にこそ読んでほしい。逆に言うと30を超えてしまうとあまり意味のない作品なのかもしれない。
近いうちに30を迎えるわたしですが
久しぶりに通して読んで衝撃を受けるとともに、人とのふれあいを暗中模索していたあの頃の記憶も蘇ってきました。
すっかり夜になりました。明日も仕事なのでがんばります