るろうに剣心の京都編を読んだ。作品作りの宿命と醍醐味
普段あまり漫画を読まないのですが
盆休み最終日に手持ち無沙汰だったので、以前から読みたかったるろうに剣心の京都編(志々雄編)をまとめて読みました。
今さら説明不要ですが、人斬り抜刀斎の後継、幕末の亡霊志々雄真との闘いを描いた本編は、同作中でも最も人気の高いシリーズです。すばらしい。
小学生の時に読んだ以来なので実に20年ぶりにまとめて読みましたが
今読み返してみると新しい発見がたくさんで非常に新鮮でした。
単行本中のコラムでも和月先生自らご説明の通り、
当時作者が影響を受けたであろう作品群の影響が強く見られます。
志々雄編のキャラデザインはほぼほぼ貞本先生のそれですし、
キャラクターモチーフや描写でもかなり引用があった…と作者自らおっしゃってます。
志々雄にふっ飛ばされた左之助の描写なんて完全にエヴァ初号機×サキエル戦のアレです。
またストーリー進行についても、
こちらも和月先生がコラムで言いわk…もといご説明の通り
〆切や少年誌の都合、構成の都合等で作者の意向を表現しきれなかった部分も多々あるそうで。
これまた連載モノであるゆえの宿命なのでしょう。
とはいえこれらの不完全さもまた作品の醍醐味。
よく言えばオマージュ、悪く言えばパロディとも言える他作品の影響も、時代背景がわかればそれはそれで面白いし、思いっきりパロっちゃう作者の未熟さ(コラムにて和月先生は度々そのことを詫びています)も、後世で本作を論じる良い題材となるでしょう。
漫画に限らず小説や絵画音楽等、他の創作活動全般にも通じることで
こういった楽しみ方をするためには十分な背景知識が必要です。
※例えば夏目漱石の小説を読んでも私は明治文学の背景知識がないので3割ぐらいしか楽しめてないと思います
この辺りは広く長くその分野に馴染みがある方々の特権ですね。
今まで背景知識を積んでこなかった後悔もありますが、とはいえ今後のためにも引き続き知識の裾野を広げる努力は続けていきたい次第です。
今日でお盆休みも終わりという方も多いと思います。わたしもそうです。
皆で明日になったら会社が爆発していることを願いましょう。
るろうに剣心 完全版 全22巻 完結セット (ジャンプ・コミックス)
- 作者: 和月伸宏
- 出版社/メーカー: 集英社
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※余談ですがアニメですとやっぱり追憶編が好きです。スタジオディーンの本気。