読書レビュー:みぞれ(角川文庫)/重松清
重松清の短編集。
気軽な小説が読みたくて適当に手を取ったが、短編集と知らずに買ってしまって少し後悔。本当はそこそこボリュームのある物語が読みたかった。
とはいえやはり面白いのが重松さんのすごいところだが、他の長編小説とは少し受け止め方が異なるように感じた。
本書は重松さんが1999年〜2007年の8年間に書き溜めた短編を集めた一冊となっている。
8年間の短編集ということで比較的長いスパンで書き集められたものであるが、それゆえ重松さんの視点も少しずつ変わっているのだろう。
あとがきにもあったとおり、それぞれの「お話」の息づかいの違いをリアルに感じ取るのがこの本の楽しみ方だと思う。
くだらない「お話」も腹の据えかねる「お話」もあったが、こちらもあとがきにある通り、その時々の世相がリアルに吐き出されたものとして受け取ると、作品としての面白みが増すように思った。